split image of chad kempel pushing five of his kids in a quintuple pram

チャド・ケンペルは、まさしくスーパー・ダッド(最高の父親)。

アメリカ、アイダホ州の出身で、五つ子の父親である彼は、五つ子用ベビーカーを押しての最速1 km走の男性記録で、その父親スキルを世界に披露しました。

2023年7月29日、チャドさんは五つ子用ベビーカーを押しながら、1 kmをわずか5分34秒のタイムで走り、ギネス世界記録「五つ子用ベビーカーを1 km押した最速タイム(男性)|fastest 1 km pushing a quintuple pram (male)」を達成しました。

記録挑戦中、チャドさんの子どもたち(8歳のサバンナ、7歳のエイブリー、そして5歳のノエル、グレイソン、プレストンの3人)がベビーカーに乗り、他の2人の子どもが彼を応援しました。

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「同時に5人の赤ちゃんが生まれたので、5人乗りのベビーカーが必要で、それで五つ子用ベビーカーを購入しました。タイヤが速さに適しているので、ジョギング中にベビーカーを押すことにしました」とチャドさんは語ります。 

三つ子用のベビーカーを押して記録を更新した母親の記事を見て、この記録のアイデアが生まれました。

5歳の五つ子の親であるケンペルとエイミー。子どもたちはもうベビーカーの年齢を過ぎていますが、彼らは父親の記録更新を手伝うために、中に詰まりました。

記録の試みまで、このベビーカーに乗っていたのは五つ子のメンバーだけでした。

チャドさんは小学校時代、健康的ではなく、短距離を走れなかったと述べました。

自分に自信がなかった幼少時代。二度とそのような思いをしたくなかった彼は、高校でレスリングチームに参加。ただ走るだけでなく、長く走り続ける体力も手に入れます。

それ以来、彼は自分の限界を乗り越えてきました。

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「多くのマラソン、アイアンマンレース、100マイル走を完走しました」とチャドさんは言います。

「子どもたちができたとき、どうしても彼らと一緒に楽しいことがしたいと思いました」

彼が五つ子ベビーカーを押しながらキロを最速で走ることを試みた背景には、より深い理由もあります。

「妻のエイミーと、すべての子どもたちが私の背中を押してくれました」と話すチャドさん。

「人生のすべてが私たちの想像通りになるわけではなく、途中でどんな挑戦と苦しみが待っているかはわかりませんでした」

ケンペルは、家庭を作る苦労に耐えたエイミーに感謝と尊敬の気持ちを述べます。

7人の子どもを授かった彼女ですが、合計8回妊娠し、そのうち5回は流産に終わりました。

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「彼女がすべての困難や苦しみを乗り越え、子どもたちを身ごもり、育てていく様子をいいつも横で見ていて、本当に影響を受けました」とチャドさんは言います。

アン・マリー・コーディと、テレサ・マリー・ピッツが、三つ子用ベビーカーで子どもたちを押してギネス世界記録を樹立した記事を見つけました。彼女たちの強さと、それが彼女の子どもたちにとってどれほどのロールモデルになりうるかを想像し、記録挑戦のインスピレーションをもらいました。

記録挑戦当日。ケンペルと家族は、さわやかで冷たい早朝の風を感じながら、鳥たちのさえずりとともに、時計をスタートさせました。

子どもたちが応援する中、チャドさんは走り始めました。

「エイミーはビデオを録画していました。リンカーンとガブリエラは、私たちをスタートラインで見送り、そして芝生を横切ってゴール地点に走り、フィニッシュラインの紙のリボンを用意してくれました」と、チャドさんは当日を思い出します。

「挑戦的なランでしたが、何が何でも記録樹立に必要なタイムを出すつもりだったので、すべての感覚を研ぎ澄ましました。私たちがこれまで歩んできた軌跡について、そして、共がこのベビーカーを押す最後の日になるだろうと考えながら」

最終コーナーを曲がりながら、エイブリーは、「不可能なんて存在しない」と書かれたサインを掲げました。ケンペルは、リンカーン、ノエル、エイミーに向かって猛スプリントし、赤いリボンを破り、記録を達成しました。

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「多くの意味で私にとって象徴的な出来事でした」と彼は話します。

「ベビーカーレースからの引退を示すために、私はランニングシューズを脱いで、トラックに置きました」

成長した2人の娘と、同じく成長した5歳の3人をベビーカーに乗せながら走る自分は、なかなか笑えたと言うチャドさん。

「今ではベビーカーに乗るには大きすぎるので、皆が座席に詰まり込んで、記録を達成したことを考えると、今でも笑ってしまいます」と話してくれました。

「今回は全員が物心がついてからの挑戦だったので、この思い出が子どもたちの記憶に一生残るだろうと考えると、とても嬉しいです」

記録挑戦自体は楽しいものでしたが、チャドさんは、その押していた重量から、様々な困難に直面しました。

子どもたちは合計で106 kg、ベビーカーは30 kgあり、合計136 kgを押していたことになります。

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1 kmは短い距離のように聞こえるかもしれませんが、136 kgを押し続けるのは容易ではなかったとチャドさんは話します。

だからこそ努力のかいがあったと続ける彼。ギネス世界記録のタイトルを獲得したことをとても喜んでいます。

「考えると涙が出ましたし、今でも涙が出ます」と彼は言いました。

私たちの背景を考えると、この経験を子どもたちと共有できることは信じられない気持ちなんです。

この新たに獲得した記録タイトルの他にも、チャドさんは3つの「ベビーカー押し」の記録タイトルを持っています。

  • 五つ子用ベビーカーを押しての最速10km(男性)|Fastest 10 km pushing a quintuple pram (male) – 1時間4分52秒9
  • 五つ子用ベビーカーを押しての最速ハーフマラソン(男性)|Fastest half marathon pushing a quintuple pram (male) – 2時間19分55秒
  • 五つ子用ベビーカーを押しての最速マラソン(男性)|Fastest marathon pushing a quintuple pram (male) – 4時間42分49秒

この経験を通じて、自分の子どもたちに、不可能なことなど何もないと示すことができたらと、チャドさんは願います。

「子どもたちにいつも『不可能なことなど存在しない』と口癖のように言う父親にはなりたくありません」と話すチャドさん。

「ですが、この挑戦をその場で見てもらったことで、彼らが真剣に自分自身を信じ、将来、それぞれの大きな目標に向き合ってくれることを願っています」