The fastest circumnavigation by tandem bicycle (male) is 281 days 22 hr 20 min and was achieved by Lloyd Edward Collier and Louis Paul Snellgrove

2018年8月7日、ロイド・エドワード・コリアーさんと、ルイス・ポール・スネルグローブさんは、壮大な旅を始めるために、オーストラリアのアデレードを出発しました。

それから約9か月後の2019年5月16日、彼らは無事に同じ出発点に帰還する事に成功。ギネス世界記録「タンデム自転車で世界一周をした最速タイム|Fastest circumnavigation by tandem bicycle (male)」に認定されました。

281日22時間の道のりで、ロイドさんとルイスさんはアジア、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアを制覇。総距離は28,000 km以上にもおよびます。

彼らの記録は、ギネス世界記録の日である11月14日に発表されました。今年のギネス世界記録の日のテーマは冒険の心。この世界一周の旅は、まさにそのテーマに沿ったものでした。

ロイドさんとルイスさんは共にイギリス出身で、医師としてオーストラリアに在住しています。この度を通じて、2人は幼少期の夢を叶え、脊椎研究基金と脳基金へのファンドレイジングを行いました。

Fastest tandem circumnavigation Mighty Murray Way

ルイスさんは「人生は短すぎます。私は救急医として、事故や病気が多くの人の命を奪ってきたのを見てきました。そして子どもの頃は、自分の命が奪われるリスクをとってまで探検をする冒険家にあこがれていました」と語りました。

2人はとてつもなく前向きで、DIY精神で旅を乗り切ろうとしました。自転車を修理する方法もYouTubeで見て知ったのだとか。9か月の旅の間に、旅で必要な知識は身についていくだろうという考え方で挑戦に臨んだそうです。

「故障だらけで、修理も行き当たりばったりでした。特にインドを旅しているときは、普通ではない方法で部品を直していました」とロイドさんは振り返りました。

Fastest tandem circumnavigation Albania

旅の途中で2人を襲ったのは自転車の故障だけではありません。ルイスさんによると、天候が過酷だったと言います。「モンゴリアでは時速100キロの向かい風に見舞われ、テキサスの砂漠では暑さが私たちを迎え、インドでは息が詰まるような蒸し暑さやモンスーンを味わい、シベリアでは凍るような寒さに耐えました。」

「特に寒さに耐えるのが大変でした。イギリス北部出身ですが、ここ7年間はオーストラリアの温かい所に住んでいたので、耐性をなくしてしましました!」

過酷な旅ではあったものの、壮大な景色を数多く体験する事ができたそうです。

 
 
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星の下で、明日がどんな日になるかわからないまま眠る感覚はとても新鮮でした。生きのびるために必要な最低限で生活する事で、シンプルに生きる良さを実感する事ができました。ールイス・コリアーさん

また旅で会う人々の温かさも印象に残ったとか。ロイドさんによると、言語が通じなくても優しく接してくれる人と多く出会ったそうです。「あらゆる人生を送っている人たちと出会う事ができました。宗教や文化、言語が違っていても、私たちに敬意をもって接してくれました。」

Fastest tandem circumnavigation locals

「農家や労働者、大使や極地探検家、スターシェフなど、いろんな人たちと会いました。全ての人たちに共通しているのは、私たちを助けるためにできる限りの事をしてくれた所です。それぞれの地域での生き方や食べ物などを知るのはとても嬉しかったです。」

冒険を通じてギネス世界記録に挑戦しようと考えている人へのアドバイスを求めると、ルイスさんは次のように答えました。

「あまり計画はしすぎないほうがいい。長い旅では、いろんな要素が影響してきます。成功するには臨機応変でなければいけないし、失敗が起きる事を前提にしながらも、失敗に飲み込まれないようにしなければなりません。思いついた事を実現できる勇気も必要です。挑戦に否定的な人たちは家でゆっくりしてもらってればいい。その間にあなたは、自分の夢を現実にして、人生を謳歌すればいいんです。

Fastest tandem circumnavigation Lloyd Louis