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スイスのスカイダイバーが、ギネス世界記録「史上初のジェットストリームへのスカイダイブ|first skydive into the jet stream」を達成しました。

マーク・ハウザーさんは、高度24,300フィートまで上昇させた熱気球からダイブ。その時吹いていた風の速度は最大110メートルもあったとか!

ジェットストリーム(ジェット気流)は対流圏上層にある強い風の流れ。旅客機はこの気流を活かして、燃料を削減しています。そこにひとりの人間が飛び込んだというわけです。

スカイダイバーは通常、自由落下をしますが、私は自由「飛行」がしたかったのです。どれだけのスピードが出るのか誰も知らなかったので、私がやってみようと思ったのです。

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オーストラリアで行われたこの記録挑戦。チームを組んでからの準備期間は数か月にもおよびました。そのなかでも特に重要な人物は、熱気球のパイロット、スティーブ・グリフィンさんと、経験豊富のスカイダイバー、トーマス・ゴウルバーンさんでした。

準備では、飛行中に体験する低酸素状態や極端な気候状況を再現してテストを行い、使用する機器等への影響を確認しました。しかし実際の挑戦では、高度24,300フィートのジェットストリームに突入した際に、トラブルが発生しました。

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「離陸直後は全て良好で、美しい日の出を見る事ができました。しかし30分後、問題が発生しました」と語るマークさん。マイナス40度の環境で、熱気球のバーナーが凍結し、炎が消え、さらには使用していた酸素マスクが漏れはじめてしまいました。

「早く出なきゃと思いました。こんなストレスに見舞われる準備をしていませんでした!どれだけの速度が出せるかという第一の課題の事など考えられませんでした。そして、2人の仲間が心配でした。非常に危険な状態でしたから」

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熱気球の状態が悪くなり、唯一のチャンスが失われるとチームはパニックになるなか、マークさんはダイブを決行する事にしました。

緊迫した状態はあったものの、スカイダイブは見事成功。台風と同様の風速のなかに飛び込み、ギネス世界記録を達成しました。

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「着地したらすぐ熱気球を探しました。記録なんて頭のなかにありませんでした。しかしその後、ホッとする情報が入ってきました」

熱気球のバーナーは、降下中に復活し、酸素濃度も上昇。チームは安全に着陸する事ができたのです。

チーム全員が無事地上に生還すると、全員は史上初の偉業と新たな記録達成を心から祝いました。

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