split image of alejandro tari standing in front of helicopter and celebrating with his arms up

背筋などを鍛えると同時に、腹筋などの"体幹"も鍛えられるL字腹筋。それだけでもかなり難易度の高い筋トレですが、スペインの Alejandro Soler Tari さんは、それに新たなスリルを加えました。

結果、Alejandroさんはギネス世界記録「1分間でヘリコプターでL字懸垂をした最多数(男性)|most L-sit chin ups from a helicopter in one minute (male)」を達成しました。

2023年11月19日、Alejandroさんはヘリコプターのスキッドにつかまり、26回自身の体を引き上げました。

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Alejandroさんは、この記録の存在を知った瞬間から、挑戦してみたいと思ったそう。

この挑戦に協力してくれるパイロットを、スペイン中で探しましたが、無理でした。やりたがる人がいなかったのです。

ようやくマヨルカにいるパイロットが協力してくれることに。しかし当日、Alejandroさんが現場に到着すると、予期せぬことが起こりました。

「パイロットが、やっぱりやめたと言いだしたんです。そしてひとりでヘリコプターに乗り込み、飛んでいってしまったんです」

Alejandro さんは苛立ったものの、目標をあきらめることができませんでした。 

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パイロットが逃走する事件から数日後、他国のパイロットにも声をかけ始めた Alejandro さん。最終的にマイアミ在住のパイロットが引き受けてくれることになりました。交渉には数か月かかったと言います。

そして記録挑戦当日。ヘリコプターが飛び、パイロットが Alejandro さんに合図を出します。

挑戦をするためにヘリコプターに近づく数秒間には、何か壮大さが秘めていました。「ようやくこのときが来た」という感覚があったんです。

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ヘリコプターが動いているため、不安定な環境下で懸垂をするのは特に難しかったと振り返る Alejandro さん。しかもプロペラの風は受けるし、スキッドも通常のバーより太いのです。 

「本当に緊張しました。パイロットや撮影クルーなど、多くの人を巻き込んだ分、責任を感じたし、動くヘリコプターを前に恐怖も感じました」と Alejandro さんは言います。

始めの数レップは、Alejandroさんの懸垂の動きにつられてヘリコプターが動いたため、懸垂がより難しい状況になりました。

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「2秒くらい動きを止めて、ヘリコプターの動きと合わせられるようにしました」

Alejandro さんの家族は、けがをしないかなど心配したそうです。一方で彼の友人は、挑戦を通じて幸せを感じる彼の性格をよく理解していました。

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見事ギネス世界記録を達成した Alejandro さんは、今後もギネス世界記録に挑戦し、100個の記録を保持したいと思っているそうです。

「あと数年、『ギネス世界記録』の書籍に載りたいと思っています。私とは違う分野で頑張ろうとしている人たちに対しても、私の記録を通じてインスピレーションを得てくれればいいなと思います。そして私自身も、これからも夢を叶え続けたいと思っています」

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