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車いすテニス選手の小田凱人さんが、4つのギネス世界記録を達成しました。記録は全て最年少記録で、17歳の時点で達成しています。

  • 全仏オープン車いすテニスシングルス最年少優勝者(男性)|Youngest winner of the French Open Wheelchair Men's Singles title
  • グランドスラム車いすテニスシングルス最年少優勝者(男性)|Youngest winner of a Grand Slam wheelchair singles title (male)
  • 世界ランキング1位を獲得した最年少車いすテニス選手|Youngest wheelchair tennis player to be ranked world No.1
  • ウィンブルドン車いすテニスシングルス最年少優勝者(男性)|Youngest winner of the Wimbledon Wheelchair Gentlemen's Singles title

公式認定証を手にした小田選手は、ギネス世界記録に認定されることは予想外だったと言います。

「ギネス世界記録をとれるとは思っていなかったので、驚いています。ギネス世界記録はずっと前から知っていますし、すごいと言うイメージは小学校のときからあって、誰もが知っているという印象があります。常にお手本にさせてもらってきた国枝慎吾さんがギネス世界記録にいくつも認定されていて、記録をとるのも僕の1つの目標でもあったので、嬉しいにつきます」

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小田選手は9歳に骨肉腫を発症し、車いす生活になったことをきっかけにテニスを始めました。そして始めた当初から、大きな目標を掲げていました。

「プロになるということは意識はしていなかったですけど、ランキングは1位になりたいという気持ちはそのころから持っていました」

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その後ジュニアマスターズの国際大会に優勝し、2020年にはプロ転向するなど、選手として成長を遂げてきた小田選手。その成長の過程で、本人は苦労の自覚はそれほどないと言います。

もちろん頑張るは頑張るんですけど、そこまで努力しているという感覚もなければ、苦労しているという感覚もありません。

ただ好きで勝ちたいからトレーニングもするし食事制限もするっていうだけで。それをしていても楽しいし、地味な練習ですら楽しく感じられる魅力がありました。だからこそ楽しく続けられていると思うし、嫌いになったら「絶対にやりたくない」ってなっちゃうんで。

そして2023年6月10日。全仏オープンで見事優勝を飾りました。この勝利は小田選手にとっても思い入れの深い大会だったそうです。

「初めて出たグランドスラムが全仏オープンで、優勝したのも翌年(2023年)の全仏オープンだったので、その1年間はすごく濃いものでした。僕の名前も凱旋門の「凱」からとられているというのもあって、パリにも縁があって、なおかつそこで優勝をとって……思い出深いですね」

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パワー・勢いが小田選手の魅力の1つ。本人によると、それに加えて、グランドスラムで培った経験に基づいた、ベテランのようなプレーもスタイルの一部になってきていると言います。

そんな小田選手は今後も最年少の記録を打ち破っていきたいと考えているそう。

「やっぱり年齢が過ぎちゃうとチャンスがなくなるのが最年少記録だと思います。これが20代後半になると、目指したくても目指せない。せっかく今目指せるチャンスがあるならば、積極的にそれを求めてやっていきたいと思います」

また、自身のプレーを通じて、車いすテニスをより一層盛り上げていきたいと考えています。

車いすテニスは知っているけど見たことがないという人が大半だと思います。パラリンピックのときのように多くの人に見てもらえるのが理想です。ただ、それを目指してプレーしなければいけません。僕らのテニスのスキルとプレーの仕方と、魅せ方とで勝負しなければいけないと思います。

ちゃんとプレーの内容も満足してもらえるようなレベルまでテニス全体のレベルをあげていって、趣味として車いすテニスを見るという方がいるようになれば、僕はそれが一番嬉しいですね。

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