南アフリカ出身のベス・ニールさんとカナダ出身のマイルス・クラウティアさんが、バレンタインに合わせて、ギネス世界記録「水中で行った最も長いキス|longest underwater kiss」を更新しました。
前記録は13年前に達成された3分24秒ですが、ベスさんとマイルスさんは4分6秒キスをし続けることに成功したのです。
現在は婚約していて、2人ともダイバー。1歳半の娘、ネヴェちゃんがいます。彼らはモルディブのリゾートに行き、この記録に挑戦しました。
記録挑戦は朝の7時半に開始。息を止めるウォームアップを行い、2~3分からなる練習を行ったあと、本番に移行しました。
3年前に記録挑戦のアイディアが浮かんでから練習を積み重ねてきた2人でしたが、実際挑戦してみると、予想以上に難しかったと言います。
「挑戦の3日前には、息を止めることすらできませんでした」と語るベスさん。そしてマイルスさんは「前回の記録に到達することさえできませんでした。惜しいどころか到底及びませんでした」と加えました。
本番の数週間前から本格的なトレーニングを行った2人。しかしモルディブの美しい"挑戦会場"に着くと、緊張が走ったと言います。
「私はフリーダイビングのインストラクターです。しかし自分が教えてきたことが、初めて自分でできなくなってしまいました」とベスさんは振り返ります。
ベスさんは南アフリカのフリーダイビングのチャンピオンに4回輝いていて、南アフリカの記録をいくつも保持しています。ですから記録を更新することにはなれているはず。しかし今回の記録挑戦は今までとは違いました。水中でじっとしていなければいけなかったのと、どれくらい時間が経過をしているかを把握しなければいけなかったからです。
ベスさんとマイルスさんの体内に二酸化炭素が蓄積していくにつれ、2人は水面に出たい気持ちをより強く抑えなければいけませんでした。
記録挑戦には観客も駆けつけました。挑戦者の2人は、挑戦中の4分は静かにするようにと観客に伝えました。
マイルスさんによると、水中でも拍手などが聞こえると予想して待っていたそうですが、実際は何も聞こえなかったとか。そして長く潜っていると、その分不快感が増してきて、感覚がおかしくなったと言います。
心拍数が上がり、酸素への欲が増す中、2人は依然と口を合わせ続けました。それが功を奏したのです。
ちなみにベスさんは6分間息を止めることができます。本人のインスタグラム(@onebreathbeth)では、Eminem の「Lose Yourself」を水中で口パクする動画などを投稿していて、その多くの投稿がバズっています。
今回の記録挑戦でも、この Eminem の名曲をイヤホンで聞いていたおかげで、挑戦終盤の苦しい時間帯をしのげたようです。
マイルスさんにフリーダイビングを教えたのはベスさんですが、2人の実際の潜り方には、正確の違いが表れています。
例えばマイルスさんの場合、どれくらい水中にいたのかを目視確認したいタイプですが、ベスさんは逆だと言います。
ベスさんとマイルスさんの交際歴は5年。バミューダ諸島で出会い、一目惚れだったそうです。
ベスさんは、子どもたちにフリーダイビングと、海の世界を守らなければいけない理由を教えるプログラム「Kids on the Reef」を行っています。
そこにボランティアとして現れたのが、マイルスさんだったのです。
「ボランティアはいつもだと、献身的な高齢者なのですが、マイルスのような人が来るのは予期していませんでした」と頬を赤らめました。
一方でマイルスさんは、海で過ごした経験はあまりありませんでしたが、フリーダイビングには興味があったと言います。彼はベスとだった瞬間、彼女が「運命の人」だと確信したそうです。
娘のネヴェちゃんも泳ぐのが大好きで、最低でも1日1回はプールに連れていくそう。
ベスさんとマイルスさんは、共同のインスタグラム・アカウント、@freedivingcouple を持っていて、2人で行った水中の様子を記録に残しています。
ベスさんによると、フリーダイビングの技術は全ての人が持っていて、エリートのアスリートだけのものではないと言います。彼女はフリーダイビングをより多くの人に教えながら、それを通じて海中で起きている問題に立ち向かおうとしています。さらに2人はプロとして水中撮影をしています。環境保全や観光団体と協力して、海の底にどのようなものがあるのかを多くの人に伝えています。
そして見事ギネス世界記録を達成した2人は、これに味を占めて、すでに次の挑戦を考えているとか!また新たな記録を達成するのをお待ちしています!