市民がの世界への挑戦が多摩都市モノレールを盛り上げる

東京都町田市は「みんなで呼ぼうモノレール」を合言葉に市民115人を募り、紙の輪っかをつなげるギネス世界記録への挑戦に挑みました。多摩都市モノレールの町田方面への延伸促進の機運向上イベントの一環として行われ、市民の希望が託された挑戦でした。

3000mを超える輪が思いをつなぐ

挑戦したギネス世界記録種目は、「1チームが1時間で作る最も長い紙の輪っか (Longest paper chain in one hour by a team」。2015年11月7日、小学5年生以上の抽選で選ばれた市民が東京都町田市庁舎に集まりました。1時間以内に紙の短冊で輪を作り、つなげた長さの記録が2000mに達することを目標とし、11時にチャレンジスタート。「つながれモノレール」と書かれたTシャツを着た参加者たちは、中腰で黙々と輪をつなげていきました。用意していた短冊を残らずつなぎ、開始から45分後にチャレンジが終了。赤、青、黄、緑の色鮮やかな紙の輪飾りが市庁舎に咲き乱れ、3142.15mの長さを記録しました。つながった輪っかの数は、計22,038個。認定員から記録更新が発表されると歓声がわき、「みんなの力で達成できて嬉しい。」「輪っか作りは楽しかった。」など方々から参加して良かったという嬉しい声が溢れました。

紙の輪っかに夢をのせて

今回の挑戦は、同年6月11日に戦略ビジネスユニット Astellas (アメリカ・オーランド) が 達成した1347.82mをはるかに上回る長さでした。今回の種目に用いられた紙の輪っかは日本では七夕の飾りとして有名なもの。「心に抱いた夢が消えてなくならないように、つながっていく。」という意味をこめて短冊をつなげる風習が現代まで受け継がれています。海外でもクリスマスの飾りとして願いをこめながら輪をつなげていく願掛けのような意味をもつため、紙の輪っかをつなげる種目は今回のような1時間でやる記録 (One hour) だけでなく、24時間制限を設けたもの、チームではなく個人種目としたものなど幅広く行われています。

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町田市が多摩都市モノレールにかける思い

今回のギネス世界記録に応募した多摩都市モノレール町田方面延伸促進委員会は、並々ならぬ思いがあり今回の参加を企画しました。多摩都市モノレールは多摩地区の南北の連携を図るべく整備されたものですが、現在、上北台~多摩センター間約16kmの運行にとどまります。町田市にある鉄道はいずれも市の外縁部を走っているという交通の不便さから、市民は多摩地区よりも隣接の神奈川県に縁が深いといいます。そこで、多摩地区全体の発展を望むにはモノレールの町田方面への延伸が欠かせないのです。多摩都市モノレールが町田駅までつながれば、交通弱者の外出頻度の向上や都市間交流が進むため、多摩地区はさらに盛り上がるでしょう。モノレールが通るには長い年月がかかるため、「町田にモノレールを!」と機運が高まるよう今回のギネス世界記録に挑戦したのです。

つながる記録挑戦

「1チームが1時間で作る最も長い紙の輪っか (Longest paper chain in one hour by a team)」のギネス世界記録更新にはルールがありました。長さ46cm、幅4.5cmの紙の短冊で輪を作り、1時間以内につなげること。紙の短冊を丸めてホチキスで留める作業は予想以上に集中力が必要です。石阪市長が「大事なのはチャレンジ精神。」と述べたように、チャレンジ精神とチームワークと集中力で勝ち取った今回の記録。紙の輪っかのようにモノレールがどうかつながりますように。皆の思いが詰まった紙の輪っかは当面、市庁舎2階に飾られます。参加した皆さん、ギネス世界記録への認定本当におめでとうございます!!


今回の記録、何らかの思いを未来につなげたいと願うチームにはぜひチャレンジしてほしいです。次なる挑戦チームはどんな思いを抱き、輪っかをつなげるのでしょうか?今から楽しみにしています。

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  • 記録名:Longest paper chain in one hour by a team
  • 記録:3142.15メートル
  • 記録保持者:Committee For Promoting Tama Intercity Monorail Extension to Machida City (Japan) at Machida City Hall in Machida, Tokyo, Japan
  • 挑戦日:2015年11月7日
  • 記録のタイプ:長くつなげる記録
  • 記録のポイント:記録は「最も長く」を狙うものです。しかし、そのつなげるものが「紙の輪っか」であることを考えると、同じ「最も長く:系の記録でも、「寿司」や「ロングケーキ」などと比較すると、その材料自体は集めやすいので、市民参加型イベントにはもってこいの記録になるのかもしれませんね。しかし、素材が容易に手に入り、つなげるのが比較的シンプルということになると、今度はその長さがどんどんと伸びていく、という壁がたちはだかる。なかなか一筋縄ではいきませんね。しかし、「心をひとつに」という点に関して言えば、一体感を生む記録挑戦なのでしょうね。