5つ子のパパが、子ども全員が乗るバギーを押してマラソンを完走！ギネス世界記録を達成

長距離ランナーのチャド・ケンペルさんは、5つ子のパパ。そんな特別な家庭構成を持つチャドさんは、その特徴を活かしたギネス世界記録を多数達成しています。

数年前、チャドさんと奥さんのエイミーさんは、家族を増やしたいと考えました。流産などで大事な命を失ってしまい、辛い経験をしてしまいましたが、その後、7人の子どもを授かることができました。しかし現在、その子どもは全員6歳以下なのです。

多くの両親にとって、小さな子どもを同時に育てるのは大変なこと。しかし、チャドさんとエイミーさんにとっては嬉しいことだったそうです。毎日自分のベストを尽くそうと思わせてくれるのだとか。

このような子育てを行う最中、チャドさんはなんと長距離ランにまつわる2つのギネス世界記録に向けて、トレーニングも行っていたのです！子育てと趣味を両立することができたのは、その2つを同時に行うことを思いついたからです。

「一晩で子どもが2人から7人に増えるのはユニークなことです。7人になったからと言って、それに制限されるわけではなく、あたかも2、3人の子どもがいるかのように、一緒にいろんなことをするんです。例えば子どもをのせたバギーを押してマラソンをしたり……他の親子のよりちょっと重いだけです」

チャドさんは高校生のころからランニングをはじめ、その後は自分の限界を試すため、あらゆるレースに参加したそうです。

例えばボストン・マラソンでは、50.1マイルを12時間で完走し、100マイルをノンストップで31.5時間かけて完走しました。

100マイルを走った年は、大変な時期でした。エイミーさんのおなかにいた双子を早産で失ってしまったのです。悲しみや苦しみと言った感情をどうにかするには、走るしか考えられなかったそうです。

しかしこのレースを走り切ったことで、5つ子を押しながら走る体力を得たと言います。

ある日、チャドさんはベビーカーを押してマラソンを完走し、ギネス世界記録を達成したランナーたちの記事を見かけ、自分の愛する2つのものを組み合わせることを思いついたのです。

チャドさんはすぐさま「5つ子のベビーカーを押して完走したマラソンの最速タイム｜fastest marathon pushing a quintuple pram (male)」へ向けてのトレーニングを開始しました。

特に難しかったのが、斜面を走ること。重さはもちろん、制御するのが困難なのだとか。初めの2回の挑戦では、タイムが及ばず記録挑戦は失敗に。達成までわずか4分足らないということもあったのです。それでもチャドさんは諦めず、再挑戦をしました。それには大切な理由があったそうです。

そしてチャドさんがいよいよ念願のギネス世界記録を達成すると、その勢いで「5つ子のベビーカーを押して完走した10 km走の最速タイム｜ fastest 10 km pushing a quintuple pram (male)」にも挑戦しました。この挑戦では、今までのノウハウを活かして、1:04:52で記録を達成。フィニッシュラインではエイミーさんと長女の2人が迎えていました。

子どもを育てながらランをするのは体力的に厳しいですが、チャドさんによると、それでもやり続けるモティベーションとなるものを持っていると言います。