Bianca Rossini Top Story

ギネス世界記録では、ローラースケートを使ったあらゆる世界一を認定してきました。しかしカナダ出身のビアンカ・ロッシーニさんが挑んだ記録は、それらとは一線を画したものでした。なんと、ハイヒールを履いて、後ろ向きで100メートルをスケートした最速タイムに挑んだのです。

多くの人はローラースケートで速く進むだけでも大変ですが、ビアンカさんはさらにハードルを上げた状態で100 mを21.52秒で完走。ギネス世界記録「ハイヒール・インラインスケート100 m走(後ろ向き)|fastest 100 m on high-heeled inline skates (backwards)」に認定されました。

フィギュアスケートの経験があるビアンカさんは、世界記録を狙う前に子どもの頃の憧れであった、母とコーチからインスピレーションを得ました。

私のお母さんと、フィギュアスケートのコーチであるハンナは昔から憧れていました。私は空中曲芸師であり、インライン・スティレット・スケーターです。パフォーマンスで人々に喜びを与えるのが好きです。そしてそれを通じて、努力をすれば何でもできるという事を見せられたらいいなと思っています。

記録達成のために、ビアンカさんは毎週練習を行い、動きやスピードを調整しました。挑戦するに最適な路面を選ぶのにも慎重に取り組みました。

この挑戦で特に難しいはずの後ろ向きスケートですが、空中曲芸師としての経験を持つビアンカさんにとっては、一番簡単な部分だったとか。次のハードルはハイヒールのスケートでの練習。ヒールの高さは12 cm以上もありました。

Bianca Rossini 400

ビアンカさんがギネス世界記録に挑戦するのには、ある理由がありました。

「私はいつも強くて人々にインスピレーションを与える女性になろうと努力しています。そして女性らしさを失わずに力強さを表現したい……その2つの要素を合わせた挑戦をしたかったんです」

Bianca Rossini 684

見事記録保持者となったビアンカさん。ここで止まる事なく、今後も世界記録に挑戦したいと考えているそうです。

また、コーチとしても活躍している彼女は、今回から得た学びを生徒たちにも共有できればと考えています。

私のフィギュアスケートのコーチはいろいろな事を教えてくれました。自分の限界を超えなければいけない事も。ジャンプできなかった時やスピンができなかった時、コーチは諦めない事を教えてくれました。私もコーチになった今、生徒に同じ事を伝えています。それがスケートを教える楽しみでもあります。転んでしまっても、また立ち上がって、もう一度やってみるんです。