修士課程を歩んでいた学生が『冒険』へ　24時間で7か国をめぐり、ギネス世界記録を更新！

ハンガリー在住のデビッド・コヴァーリさんは、ブダペストで修士課程を歩んでいました。しかしある日、彼は決定的な事に気づいてしまうのです。それは「学んだり仕事したりしても、幸福を感じない」という事でした。

一日中デスクの前に座るのではなく、外に出て自分の限界を試したいと思ったデビッドさん。自身の冒険の心を再発見すべく、ギネス世界記録に挑む事にしたのです。

あらゆる記録をリサーチして選んだのは「24時間で自転車で訪れた国の数（男性）｜most countries visited in 24 hours by bicycle (male)」。達成するには体力のみならず、良い戦略も必要だったからです。

デビッドさんは数週間かけて準備を行いました。前記録の6か国を上回るべく、Googleのストリートビューなどを確認しながらベストなルートを検討。ルートさえ決まれば、後はその道を自転車で走破するのみでした。

前記録保持者のマイケル・モールさんが記録達成のために選んだルートは、イタリアからスタートしてスイス、リヒテンシュタイン、オーストリア、ドイツ、フランスをめぐるのがベストルートと判断しましたが、デビッドはポーランドからスタートしてチェコ共和国、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スロベニア、クロアチアをめぐるルートを考案。ルートの総距離は500 kmにも及びます。

道はなるべく路面の状態が良い所を選び、高低差もなるべく少ないように心がけたそうです。

旅には工具やカメラ、GPS、エナジードリンク、サラダ、すしなどを詰めた小さなバッグを複数かついで挑みました。はじめに休憩をしたのはスタートから10時間後。オーストリアとハンガリーの国境が近い、スロバキアのブラチスラヴァでした。

デビッドさんがこの旅で一番楽しみにしていた国は彼の故郷、ハンガリーだったとか。「夕方の5時から挑戦をはじめて、そこからずっと寒い暗闇の中を自転車で移動していました。日が出て初めて入国したのがハンガリーで、心身ともに温まってくるのを感じました。国境を越えた瞬間、ただいまという気持ちになりました。」

デビッドさんが最終地点に近いクロアチアとスロベニアの国境付近に到着したのは、開始からおよそ22時間後。そこから最も近い国はボスニア・ヘルツェゴビナでしたが、228 kmも距離があるため、彼の挑戦は7か国で終了しました。

8か国回るにはどうすればいいかという問いに、デビッドさんは「止まっている時間、特に（国に到達している事を証言してくれる）証人を探す時間を少なくする事」だと答えました。

デビッドさんは個人への挑戦に加え、子どもに対するIT教育を支援するために今回の記録に挑みました。いつかはさらなる記録に挑戦したいと考えているそうですが、まずは『ギネス世界記録の日』（デビッドさんの誕生日も同日なのだとか）に今回の記録更新を祝いたいそうです。