冒険家のマチュー・トドワーさんが、27歳40日という若さで南極点に到達し、ギネス世界記録「最年少南極点無補給単独徒歩到達|youngest person to reach South Pole solo, unsupported and unassisted」に認定されました。マチューさんは51日かけて、ヘラクレス湾からの1,130 kmの道のりを制覇しました。
マチューさんの挑戦は、今年のギネス世界記録の日のテーマ「冒険の心」に共通します。
探検家のラナルフ・ファインズやベン・サンダース、そして1986年に初めて単独で北極点に到達したジャン=ルイ・エティエンヌに影響を受けたと言うマチューさん。「昔からずっとあこがれていて、ある日彼らと同じような事ができないかと思って、実行に移したんです」と語りました。
マチューさんの旅は無補給で単独徒歩。スタート地点のヘラクレス湾からサポートを得る事なく南極点を目指しました。「犬や帆は一切使わず、最後までスキーで進みました。」
氷点下の環境で移動する場合、スキーで歩くのが一般的な移動手段の1つです。51日の旅でマチューさんは、食品などの物資を外部から得る事もなく、たった1人で南極大陸と向き合いました。
マチューさんは南極大陸の探検に先立ち、グリーンランドやスヴァールバル諸島などで練習を積み重ねました。「南極と同様の環境でトレーニングをしました。氷点下でそりを引っ張ったりキャンプを張ったりするので、このような探検をするためには、準備や努力が欠かせないんです。」
さらには、必要な物資はすべて自身のバックパックに詰めなければならない、コース 250 kmのサハラマラソンにも参加し、本番への体制を整えたと言います。
南極でマチューさんがそりに載せたものの多くはチョコレートやエナジースナックなどで、総重量は115 kgもあったそうです!
7週間もの間、雪の中を移動しなければいけないこの探検。孤独に耐えられる事も重要な要素となってきます。
マチューさんによると、音楽やポッドキャストなどを聞いて気を紛らわす事もあったそうですが、ほとんどは将来の計画やプロジェクトの事を考えていたとか。「本当に美しい場所にいたので、退屈さや孤独さは簡単に過ぎていきました。」
2019年1月13日に南極点に到達したマチューさん。その瞬間は51日間に及ぶ孤独の旅の終わりのみならず、2年間に及ぶ計画とトレーニングの終結だったと、本人は振り返りました。
南極点ではアムンゼン・スコット基地の研究者たちに迎えられました。
マチューさんに今後の予定を聞くと、今は探検について綴った本や、テレビドキュメンタリーで当分は忙しいとの事。
ギネス世界記録の挑戦について聞くと、マチューさんはもっと多くの人に挑戦してほしいと語りました。「私の記録も誰かに破ってほしい。記録は破るためにあると思います。」