英国のウルトラエンデュランス・サイクリスト、マーク・ボーモント選手が、昨日世界一周を完遂しました。ゴールとなったパリの凱旋門には、家族・友人・メディアなどに並んでギネス・ワールド・レコーズの公式認定員アンナ・オーフォードも駆けつけ、共に祝福しました。
マークには、アンナより公式認定証が授与され、それまでの世界一周記録をなんと43日も縮める快挙が達成されたことが、集まった人々に発表されました。

自転車による最もはやい世界一周|Fastest circumnavigation by bicycle (male)

記録は78日と14時間40分。人類初の80日を切る記録が達成されたのです。


Mark receives a certificate from adjudicator Anna

マークが18000マイル・16ヶ国を縦断した模様は"Artemis World Cycle"で見ることができます。

また、最初の29日間で、1ヶ月間での最長走破距離(自転車)、11,315.29kmも達成しました。

7月2日にパリを出発した後、まずはヨーロッパ、ロシア、中国を抜け、7月31日にはオーストラリア西部に渡るというルートです。

「80日間での世界一周は、一つの素晴らしい道標になったと思います。近い将来、これが他のサイクリストにとっての目標となり、記録がまた更新されることを願っています。」

Crossing the finish line

記録達成への道のりは決して平坦なものではありませんでした。9日目には危険な転倒を喫し、回復に数日を要したこともありました。

また予測困難な天候や危険にも、固い決意で臨みました。

オーストラリアやニュージランドでは気温は零下にまで冷え込み、アメリカではハリケーンイルマに巻き込まれるリスクに晒されもしました。

挑戦を終えたマークは「身体的にも精神的にも、これまでに経験したことのないほどのチャレンジであったことは疑いようがありません」と語りました。

「毎日を乗り切るには体力と精神のスタミナが必要で、それ自体がチャレンジとも言えるものでしたが、その点私には、驚異的とも言えるサポートチームがついてくれていました。」

「80日間での世界一周は、不可能に見えることも可能であること、そしてエンデュランス・スポーツの限界を再定義するものだと思います。困難は各ステージによって様々でした。気候の変動にも対応しなければなりません。ロシアからモンゴルにかけてのステージ1は未知の世界で、ここを2つ目のギネス世界記録と共に駆け抜けられたことは、正に成功だったと言えると思います。」

「また、挑戦中に世界中で受けた様々なサポートには本当に感謝しています。仲間のサイクリストは並走してメッセージを送ってくれました。今回の素晴らしい体験と旅を、皆さんにこれからお伝えしていくのも楽しみです。」

Mark and his family after the attempt

記録は、ニュージーランドのアンドリュー・ニコルセンの持つ、123日と43分でした。オークランド国際空港(ニュージーランド)を起点&終点として、2015年12月13日に達成されたものです。

「マークはまたしても"オフィシャリー・アメイジング(Officially Amazing!)"を地で行きました。自身の持つ「カイロからケープタウンまでの最速自転車走破記録 Fastest bicycle journey from Cairo to Cape Town」に、新たな記録を、それも2つ同時に積み重ねたのです。今回の世界一周記録更新の金字塔は、マークを複数の世界記録保持者として、そして最も優れたギネス世界記録保持者であるということを称えるものと言えるでしょう。」(ギネスワールドレコーズ・チーフエディター、クレイグ・グレンデイ)



ちなみに、女性によって達成されたこの記録、「自転車による最もはやい世界一周|Fastest circumnavigation by bicycle (female)」は、イタリア人のPaola Gianottiによって2014年に達成されたもので、144日でした。走行距離29,595kmです。日本人女性でも、挑戦したいという人がいたら、参考にしてみて下さいね。世界一はただの夢じゃない![ 編集部 ]