「地上最もはやい速度」に挑む新しいプロジェクト


1997年10月15日、アンディ・グリーンとスラストSSCチームは、世界にある歴史をのこしました。打ち破ったその記録とは、「地上最もはやい速度」という記録です。音速を超える「スラスト・スーパーソニック・カー」を操り、たたき出した速度は、時速1227.985 km、マッハ1.02というものでした。

あれから約18年、アンディとスラストSSCチームは、新しい車のプロジェクトに取り組んでいます。「ブラッドハウンド・スーパーソニックカー」と名づけられた車で、時速1609km、マッハ1.3を目指そうと言うのです。この挑戦は、現在は、2016年、南アフリカで行われることが計画されています。

このブラッドハウンド・スーパーソニック・カーは、ロールスロイス EJ200 ジェット、ナモ・ハイブリッド・ロケット、ジャガーV8と3機のエンジンを搭載する予定です。これら3機のエンジンが、135,000馬力という強力なエネルギーを生みだすのです。これがどれほどの数字かといえば、180台のF1マシンに匹敵する、と表現すれば、わかってもらえるでしょうか。


「ギネスワールドレコーズ X ブラッドハウンド・チャレンジ」による協働プロジェクト


さて、この壮大なプロジェクトが進行していくなか、ギネスワールドレコーズとブラッドハウンド・チャレンジは、同時に新たな試みを計画しています。それは、国際的な記録挑戦に若きチームを招こうという計画です。挑む記録は、「最もはやいロケット動力のモデルカー Fastest Rocket-Powered Model Car」という記録。この、もうひとつの挑戦も、若い世代のエンジニアや科学者に夢や希望を与えたいと考え生み出されたプロジェクトとして誕生したものです。

参加者に求められるのは、自発型の自動車かトラックを設計し、製造することです。そして、その車は、プロペラがまわされるロケットエンジンによるもので、遠隔操作によらないものでなければなりません。ちなみに、現在のこの記録を出したのは「インサニティ(Insanity)」と命名された車で、ジョセフ・ウィスカー・スクール・ヤング・エンジニアズという学校の生徒たちによって設計、製造されたマシンによってでした。同車が達した速度は、時速857.94km、2014年10月、英国ハックナルにあるロールスロイス・ランウェイにおいてのことでした。

ギネスワールドレコーズは、この挑戦のために、無制限のものに加えて、3つの新しいカテゴリーを開設することになりました。そしてこれら3は、そのサイズやロケット動力の総衝動によって分類されます。これはロケット動力が、燃えている間にどれほどの推進力を生み出せるかをはかるものです。ロケットモーター、空気力学などのデザイン、バランス、衝突など、その他の要素、サイズを制限することは、速度に対しての決定的な違いを生み出します。



参加するための具体的なステップ


では、このプロジェクトに興味があるという場合、どのような形で参加表明をすることができるのか、について触れてみたいと思いますが、基本的に本プロジェクトを管轄、監督するのは、英国本社となるので、英語におけるコミュニケーションは必須事項とお考えください。

というわけで、どうやって申込むかについては、英語での説明をベースとさせていただきます。(日本語も付記しますが、原則、お問い合わせにはご回答しかねますので、ご理解いただけたらと思います。)



HOW TO APPLY FOR A RECORD ATTEMPT |記録挑戦に申し込む方法

1. Register with Guinness World Records and make an application on our website by clicking here.|1.まずは、ギネスワールドレコーズの公式サイトでご登録をお願いします。詳細はこちら 。 

2. Fill out the details requested and do not forget to specify in the application description the challenge code ‘BLOODHOUND RECORD ATTEMPT’ and the speed you are entering your rocket-powered model car for. Here are the four categories available: |2. 必要事項をご記入ください。その際に、本プロジェクトのチャレンジコードを書き込むのを忘れないでください。チャレンジコードは、「BLOODHOUND RECORD ATTEMPT」です。 そして、あなたのロケット動力型のマシンが狙うスピードも、書き添えてください。前述の通り、4つのカテゴリーがあります。
a) Fastest rocket-powered model car (unlimited)  |a) 最もはやいロケット動力のモデルカー(無制限)
b) Fastest rocket-powered model car (2.5 N.s impulse) | b) 最もはやいロケット動力のモデルカー (2.5 N.s impulse)
c) Fastest rocket-powered model car (5.0 N.s impulse) |c) 最もはやいロケット動力のモデルカー (5.0 N.s impulse)
d) Fastest rocket-powered model car (10.0 N.s impulse) |d) 最もはやいロケット動力のモデルカー (10.0 N.s impulse)


3. Once your application has gone through our system, you will receive the relevant record guidelines. |3. あなたの申請がシステムに届くと、申請した記録カテゴリーのガイドラインがメールで送られることになっています。

4. Gather your team and start building your rocket-powered model car. Make sure you have followed all the rules provided in the guidelines.  |4. 送られてきたガイドラインのルールを遵守しながら、チームを集めて、ロケット動力車の設計、製造を開始してください。

HOW TO SUBMIT YOUR EVIDENCE  |証拠物をどう提出するか

1. Log in to your Guinness World Records account  | 1. ご自分のギネスワールドレコーズアカウントでログインしてください。

2. Attach the evidence as requested in the guidelines for the records team to review  | 2. ガイドラインの中にあるリクエスト通りに、証拠物を添付して下さい。

3. Wait patiently until a record manager comes back to you with the result | 3. 記録管理部のレコードマネージャーからの連絡をお待ちください。時間がかかる場合もあるとご理解いいただき、お待ちいただけたらと思います。


重ね重ね、当プロジェクトは、英国本社で行うものとなり、日本における窓口のサポートサービスなどは行っておりませんが、以上が申請の全ステップとなります。「我こそは!」と夢見、挑もうという科学者、エンジニア、ものづくりのチーム、人物が、このニッポンにもおりましたら、是非、世界へと羽ばたいていただけたら思います。是非、ご応募、検討してみて下さい。[編集部 スズ]

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