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角川ドワンゴ学園がVRでギネス世界記録に挑戦!オンラインでできる種目ってどんなもの?

By Guinness World Records
発行済み

突然ですが、「ギネス世界記録」と聞いて思い浮かべるものはどんなものですか?背が高い人や爪の長い人、1分間で風船を割った最多数など、種目の数があまりにも多いので、1つだけ挙げるのは難しいかもしれません。

そんな中、ある記録のジャンルが注目されています。それは「オンライン記録」。その名の通り、オンライン記録はオンライン上で世界記録に挑戦するというもの。コロナ禍でリアルなイベントが制限される環境下でも、各地に散らばる参加者を集めて、スケールの大きな記録挑戦だってできるのです。

でも、オンラインで世界記録は、どうやって行うのでしょうか?そして、挑戦時の雰囲気はどんなものなのでしょうか?そこで今回は、2021年4月に行われたオンライン記録挑戦の模様をご紹介します!

挑戦者は、学校法人 角川ドワンゴ学園 N高等学校(以下、N高)とS高等学校(同S高)。キャンパスに通う通学コースを選ぶこともできるそうですが、ネットコースはICTツールを活用して好きなとき・好きな場所で学習できます。

そして2021年、N高とS高はVR空間で学習することができる「普通科プレミアム」を開始。ギネス世界記録挑戦も、「普通科プレミアム」の学び方を選択した生徒にとって学園生活のいい思い出となるようにとの考えから始まったそうです。

バーチャル空間では、教材やツールを使いながら授業を受けられるそう。例えば地学の授業ではアンモナイトなどの模型を出して、いろんな角度から観察することができます。今までにないインタラクティブな授業は、新たな学びの予感がしますね。

また、『Rec Room』を使用して生徒間の交流ができるそう。自分のアバターを動かして他の生徒と交流するのはもちろん、イラストを描いたり、一緒にゲームを楽しんだりすることもできます。

そして今回挑戦したギネス世界記録も、実はこの『Rec Room』を活用して行われたのです。

記録タイトルは「1時間でFacebookに投稿されたアバターの写真の最多数|Most photos of avatars uploaded to Facebook in one hour」。参加者は『Rec Room』のアバターを、バーチャル空間の鏡越しなどで写真を撮影し、その画像をFacebookにアップロードします。そのアップロードされたアバターの数を競うのが、この記録タイトルなのです。

それでは、記録挑戦の現場をのぞいてみましょう。

記録挑戦の”運営本部”は、都内のスタジオ。N/S高の一部授業もここで収録されていて、スタジオの前方には大きな黒板が構えていました。

記録挑戦の告知は学園内のお知らせメールやSlackで行ったそう。さらに挑戦時は、S高の吉村校長が自らYouTube生配信をして、「これは戦いですからね!」と、生徒たちに挑戦への参加を呼びかけました。また、自らアバターの撮影と投稿のデモンストレーションを行い、挑戦の流れを紹介しました。

生配信中、Slackには「ギネス投稿終わりました!」といった生徒からのコメントが多く届き、投稿の方法やタイミングなどの問い合わせもあり、吉村校長はそれに答え続けました。

普通科プレミアムの担当者、新堀さんによると、挑戦自体は自由参加が大前提だったと言います。「N高、S高の生徒たちは、通学コース・ネットコース・オンライン通学コース・通学プログラミングコースという多種多様な学び方で高校生活を過ごしています。今回のような行事の際も、生徒の自主性を重んじて自由参加としました」

Facebookにアバターの投稿がされると、それらは2名のスタッフによって確認されました。記録のルールでは、画像にアバターの顔と胴体が全部入っていないといけません。また、重複の投稿は除外しなければいけないので、そういった投稿をスタッフが確認し、また投稿ユーザー名や投稿時間などが分かるログブックも作成しました。

ギネスワールドレコーズでは、各記録の高い基準を保つために、ギネス世界記録タイトルを定義する厳密なポリシーを持っています。特に、記録は計測可能で証明可能でなければいけないので、オンライン記録においても、記録を更新した証拠物を確実に残すために、詳細を記したログブックの作成は必須なのです。

達成するために必要なアバター画像の数は500枚です。挑戦開始からわずか数分で、次々とFacebookのイベントページに投稿されるアバターの画像……十数分するとその数は200人ほどに。通学コースの生徒たちも参加し、画像の数はさらに増えていきました。挑戦に参加した生徒の1人は、挑戦後のインタビューに対し、投稿の進捗を見ながらハラハラしていたと語りました。

挑戦時間終了まで、吉村校長が生配信で参加を呼びかける中、スタジオではスタッフがパソコンの画面に張り付き、挑戦の進捗を見守りました。スタッフは沈黙を守っているものの、時間がたつにつれ、部屋に張り付く緊張は増していきました。

そして、公式認定員の合図とともに、挑戦時間は終了。スタジオの緊張感は一度解け、拍手が沸きあがりました。それもつかの間、厳密な審査が続き、全ての作業が完了したのは、挑戦終了後の30分以上後でした。

挑戦から数時間後。挑戦結果はN/S高のVR教育開始記念番組にて発表されました。

「結果は290枚で、残念ながら記録達成とはなりませんでした」

公式認定員の発表に「残念!」と肩を落とす吉村校長。それでも挑戦自体は有意義だったと番組内で語りました。

290人の方がVRで一丸となってチャレンジしてくれたこと、まだ見ぬVRの教育にチャレンジしていったということがうれしいと感じています。くじけずにまたチャレンジしたいと思っています!

担当の新堀さんも、達成できなかったのは無念だったけど、有意義な挑戦だったと振り返りました。

記録が未達に終わったことは残念でしたが、普通科プレミアムとして初めての大規模イベントであったため、挑戦したことに意義があると感じました。VRの操作に不慣れな生徒が多数を占める中で、積極的に参加してくれた生徒がいたこともうれしく感じました

記録挑戦に参加した生徒の1人も「友達にも挑戦についてもっと話しておけばよかったと思いました」と語りました。また、「もし次回同じようなイベントがあれば、参加させていただきたいです」と今後の挑戦にも期待を寄せました。

――リアルイベントが困難な昨今、ますます需要が高まるオンラインでのギネス世界記録挑戦。独特で特別な空気感や緊張感は、オンラインでも健在でした。いろんな場所から一丸となって挑める方法を通じて、今後も新たな感動が生まれるのではないかとワクワクしてきます。

角川ドワンゴ学園の皆さん、このたびはオンライン記録に挑戦していただき、ありがとうございます。またの挑戦をお待ちしております!