ニール・アームストロングとバズ・オルドリン:初めて月面を歩いた男たち

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

この言葉の真意はさておき、ニール・アームストロングが1969年7月20日に月面に足を付けた時に放ったこの言葉が伝説的な名言となったのは、言うまでもありません。

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1969年7月20日ーー宇宙飛行士のニール・アームストロングとバズ・オルドリンは歴史を作り、人類史上初めて月面歩行をした人間となりました。

ここで注意しておきたいのは、ギネス世界記録タイトルでは通常「世界初」といったものは認められていないということ。

記録タイトルは更新されるべきものという理念があるため、何かを「初めて」行うことを世界一に認定してしまうと、いかなる記録も更新できなくなってしまうのです。

そのごく僅かな例外とされるのは、その内容が革新的、象徴的だったとき。その場合は、不滅で以後更新されることのない記録となります。月面歩行は、まさにその例外に当てはまるものでした。

 

1969-First-men-on-the-moon-NASA2

人類はずっと昔から空を見上げ、空に浮かぶ白い物体が何なのか、気になっていたはず。

何万年もの間、実際月まで旅をするというのは幻想の話でした。その幻想は、ジュール・ヴェルヌの月世界旅行といった名作によって表現されてきました。しかし1957年ごろから始まった宇宙開発競争がきっかけで、たった数年もの間で「月への旅」の幻想は現実となったのです。

1957年、ソビエト連邦は史上初の衛星「スプートニク1号」を発射し、1961年にはユーリイ・ガガーリンを有人宇宙飛行に送り込みました。

アメリカ人が始めて宇宙飛行をしたのはその1年後。それでも宇宙開発の勢いはとどまることなく、1965年3月にはアレクセイ・レオーノフが史上初の宇宙遊泳を成功させました。アームストロングとオルドリンを乗せたアポロ11号のミッションは、この競争の最高潮だったのではないでしょうか。

アポロ11号がフロリダから月に到達するまでにかかったのは約3日。月面に着陸すると、アームストロングはアポロ月着陸船に6時間待機し、オルドリンはそこからさらに20分待ち続けました。

Buzz Aldrin and GWR Editor-in-Chief Craig Glenday in 2016

アームストロングとオルドリンが月面歩行を達成するさなか、マイケル・コリンズはアポロ司令・機械船を制御しながら2人の帰還を待ちました。この月面歩行を境に、宇宙開発競争は終焉を向かえ、新しい宇宙探査の時代の幕を開けました。

次の宇宙の記録は何なのかーー火星を歩行すること、それとも月にコロニーを作ることかもしれません。

しかし興味深いのは、2人の月面歩行の後、月に行った宇宙飛行士は10人しかいません。これは人類が月に降り立つことが、どれだけ重大なことだったのかを実感させてくれる事実です。

この歴史的な出来事が功を奏し、今ではGPSや気象観測、携帯電話など、宇宙を介した技術が私たちの生活の一部となりました。また、私たちの住む宇宙についての知識は日々拡大し続けるようになりました。

しかし、地球の外を開拓するという1969年の出来事の重大さは、今後起きることはありません。

その歴史的瞬間を、人類の5分の1が見ていたと言われています。それを見た人たちは、その歴史的瞬間を忘れることは決してないでしょう。

バズ・オルドリン氏は2016年に、ギネスワールドレコーズ本社を訪れました。

86歳だった彼は、まだ宇宙探査への情熱を抱いていました。彼が特に注目をしているのが火星なのだとか。

2000年から2010年に生まれた人たちの中から、火星に着陸する宇宙飛行士が現れるだろう。そんな彼らが、未来に希望を持ってくれるよう、私たちは努力しなければならない。

次の動画では、オルドリン氏が月に降り立ったときのストーリーや、本人著作の本について語っています。

Buzz Aldrin portrait