多くのゲーマーの夢が実現しました。イルハン・ウナルさんは、マルチメディア&コミュニケーションサイエンスを専攻する学生です。


彼が製作したのは、ニッポンの任天堂が発売するゲーム機端末であるゲームボーイです。そして、このゲームボーイを世界一にすべくイルハンさんが挑んだ記録タイトルが、「 最大のゲームボーイ|Largest Game Boy 」です。※ (英語版のみ発売)書籍『 ギネス・ワールド・レコーズ2018 ゲーマーズエディション 』に収録されています。 


ブラッセル在住で、週末はソフトウェア・ハードウェア開発を行うゲーマーとして働く彼が、持てる技術を注ぎ込んで製作したのは超巨大サイズのゲームボーイ、その名もゲームボーイXXLです。


このモンスターマシンは、巨大なコネクターソケットの裏にラズベリーパイ(シングルボードコンピュータ)を搭載し、実際に稼働します。

「ゲームボーイには、多くの人々が子供時代に没頭したことでしょう。私もその1人です。子供の頃の私はゲームボーイのとりこでした。そんな子供が、そして子供心を持つ全ての人が更に笑顔になるようなものを作りたかったのです。」(イルハン)


サイズは通常の任天堂ゲームボーイの約6.75倍。120リットルの容積は、人間の身体に例えると、なんと2人分にもなります。

ゲームボーイXXLは、高さ1.01mx幅0.62mx厚み0.2m。全てのゲームファンに向けて製作されました。

Largest Game Boy 3

製作は困難の連続だったと言います。

イルハンは勉強や宿題の傍らで、自由時間を全てゲームボーイ製作に捧げました。場所は学校の実験室の一角で、極めて狭小だったことに加え、あまり道具も揃っていませんでした。

ただ、そこにあった3台のレーザーカッターは非常に有用でした。

イルハンは、ある教育プログラムで使用する教材を探していた友人から、今回の着想を得ます。

完成すると、彼の造り上げたデバイスはあっという間に人気を博し、常に人だかりができるほどでした。

Largest Game Boy 2

ちょっと残念なことと言えば、イルハンは勉強、ガールフレンド、仕事に忙しく、なかなかこの巨大なゲームボーイで自分自身が遊ぶ時間がなかったことでしょう。
但し、彼はとても上手にこのゲームボーイを扱います。 


イルハン曰く、ボタンを押す動作にもかなりの力が必要で、1時間も遊ぶと腕の力が無くなってしまうのだとか。

今回のギネス世界記録認定を受けたイルハンは、「非常に達成感があります」と語ってくれました。 自身初の記録的発明で大成功をおさめた彼ですが、まだこの先、大きなプロジェクトを目論んでいるとのこと。 


今回の記録発表に伴い、ギネス・ワールド・レコーズ・ゲーマーズエディション編集者のステファン・ダルトレイは次のように語りました。

「この巨大なゲーム・ボーイは、他の器械やガジェットが文字通り霞んでしまうような、テック・ノスタルジアの最高の事例と言えるでしょう。」

「今年のゲーマーズエディションは、ビデオゲーム分野における最新の記録を特集しています。1989年にゲームボーイが初めて産声を上げて以降、最大の変化の時期を迎えていると言えるかもしれません。」「革新や進化が起こるとき、同時にゲームの進歩の歴史を少し(いや大きく)懐かしむのは常と言えるでしょう。」

Smallest Game Boy

こちらの極小ながら完璧に動作するゲームボーイは長さ5.4cm、任天堂のオリジナルゲームボーイの約1/3の大きさです。


製作者はソフトウェアエンジニアのジェロン・ドンバーグ(オランダ)氏で、キーチェーンサイズの躯体に、テトリスなどのゲームをビルトインし、ESP32チップ上で走らせるコードも同時に開発しました。


全てがイルハン・ウナルの作ったゲームボーイの「スタート」と「セレクト」ボタンの間に収まる大きさです。


Largest Game Boy 4

※ 英語版のみになりますが、『ギネスワールドレコーズ・ゲーマーズ・エディション』のご購入に興味のある方は、こちらからご確認ください。

Superheros of the 2018 edition 2