クリスタルさん、113歳で逝去

存命中の世界最高齢の人物であるイスラエル・クリスタルさんが、113歳でご逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。クリスタルさんは、2人の子ども、大勢のまご、ひまご達に支えられながら、イスラエルのハリファという地で生活をしておりました。一ヵ月後には、114歳になる誕生日も控えていましたが、113年という長い人生を終えられることになりました。


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クリスタルさんは、2016年3月11日には112歳178日で、2017年3月22日には 113歳188日で、「存命中最高齢の男性|Oldest living man(Male)としてギネス世界記録に認定されており、自宅において認定証授与も受けておりました。彼は、1903年9月15日、ポーランドのジャルフ市において、Moszek-DawidBrucha Krystztalのもとに生まれました。 


第一次大戦の苦難、逆境を乗り越えて

ユダヤ正教会に生まれた彼は、3歳から、地元のへダー学校でヘブライ語を勉強しました。4歳で聖書を、6歳でミシュナを勉強しはじめました。

第一次大戦において、両親と引き離されるという辛い想いを味合わされても、彼は長い人生を通じて、勇敢に自分自身の道を歩んでいきました。1920年、彼はポーランドのウッチに移住し、家族の菓子事業に関わることになったのです。

しかし20年後、クリスタルさんは、人生最大の逆境に直面します。1939年にはナチスのポーランド侵攻、1943年のアウシュビッツ送還、そして収監中には子ども2人と妻を失ってしまうという悲劇にみまわれます。その後、強制労働を強いられた彼でしたが、1945年5月、遂に連合軍に救助されることになったのです。その際、彼の体重はわずか37キロという状態で、身体的には死の瀬戸際だったのです。


生き残ったクリスタルさんは2番目の妻を娶ると、ひとりの息子をもうけ、1950年にイスラエルのハイファへと移住します。その時以来、彼は愛する家族に囲まれながら、家業の菓子事業を成長させ続け、成功へと導いたのです。

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自分たちにできることは一生懸命働くことだけ

クリスタルさんはギネス世界記録に認定されたときにこんな名言を残しています。

長生きの秘密なんて、自分にはわからないよ。でも僕は、全てのものごとは天が定めたことだと信じているんだよ。僕らには、"それがどうしてか?"なんてわかりようがないんだ。僕よりも、ずっと頭がいいやつも、強靭なやつも、イケメンなやつもいたけど、全員、僕より先に死んじまったよ。(笑)人間に残されていることは、失われてしまった何かを再構築するために、一生懸命働き続けることだけなんだ。

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ギネスワールドレコーズの記録管理部を統括するマルコ・フリガッティは、認定証授与を行った際に、クリスタルさんを讃える感想を残しています。

クリスタル氏が成し遂げたことは、本当に素晴らしいことだと思います。そして彼は私たちに対して、"命の価値"についてと、"長寿の限界がどう伸びるか"についての教訓を教えてくれたのではないでしょうか。

イスラエル・クリステル氏の偉大なる人生に賞賛を送ると共に、改めて安らかな眠りにつかれることをお祈り申し上げます。

同記録に関して、ギネスワールドレコーズは専門家との調査を行っております。調査を終えた時点で次の記録保持者を発表させていただく予定です。