日本らしい寿司の世界記録に挑戦

熊本県玉名市が、日本らしい寿司の世界記録に挑戦しました。記録名は、「 最長の巻き寿司|Longest Sushi Roll 」です。同記録は、長らく日本から離れていた記録で、激しい戦いの末にその記録レベルがあがった記録となっているため、非常に困難な挑戦です。


今回、同地で記録を主催したのは、北稜高校生徒会を中心とする実行委員会。米の収穫、五穀豊穣に感謝する「玉名大俵まつり」に合わせた地域活性の催しとして企画されました。玉名は江戸時代には、米の集積地、肥後御蔵米の積み下ろし貿易港として繁栄した土地だったという歴史もあり同記録への挑戦となったわけです。

しかしこの記録は、2011年12月にロシアで認定されてからというものお寿司発祥の国、ニッポンとしては、ずっとその王位を譲る形になってしまっていた記録でもあります。ロシアで認定された記録数は、「2521.74メートル」。全長2キロメートルを超えるという非常に長い距離で、ちょっとやそっとでは超えることができない記録です。


900-tamana

地域の食材をふんだんに活かした記録挑戦

挑戦に際して挑戦者が、準備したのは、地域に住む高校生たちが育てたお米や有明海のノリ、タクワンや胡麻などで、地域の食材を用いるということにこだわった挑戦だったのです。

挑戦する当日、会場となった玉名勤労者体育センターに集まってきたのは、300人以上の挑戦参加者です。ほとんどが地域の高校生たちです。彼らの中には、海苔巻きなどつくったこともないという生徒もいて難航が予想されました。しかし、先生たちも生徒たちも真剣そのものの表情で連結部分をつないでいきます。結果、巻き寿司が完成するまでに5時間もの時間を要することになったのです。

この挑戦で最も難しいと思われる点は、「寿司の直径が5cm以上でなければならない」というところです。ところが、製作するのに時間が掛かれば掛かるほど、重みでつぶれていってしまうのです。

一回目の発表では、結果は「失格」でした。理由は、約20箇所において直径が足りなかったためでした。この結果で諦めるわけにはいかない挑戦者たちは補修を行うことで、再度、認定審査へと挑みました。認定員が計測した結果、「2844.61m」という長さが発表され、見事、ギネス世界記録に認定されることになったのです。

長時間の作業に耐えて手にした栄冠は、挑戦参加者にとってだけではなくて、「日本人」にとっても誇らしくもあり嬉しいものになったのではないかと思います。


[ 編集部 スズ ]